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「オタフクの社員たる者、○○○○○○○なければならない」を叶える新入社員研修とは

4月1日、オタフクソースでは、14名の新入社員を迎えました。
まるで春風のように、社内にさわやかな風を吹き込んでくれます。
 
そして、ただ今、当社では新入社員研修を実施中です。
入社式当日の午後から、2カ月間にわたり行います。
 
この期間中に「オタフクの社員たる者、○○○○○○○なければならない」を身につけます。
さて・・・○○○○○○○に入るのはなんでしょう。
 
 
一部ではありますが、3つの回答を発表しながら、
新入社員研修の内容、そしてその目的をご紹介します。

其の一
オタフクの社員たる者、「お好み焼き」を焼けなければならない

「お好み焼き研修」

キャベツの切り方から、材料の混ぜ方、重ねる順番、鉄板の温度調節まで、お好み焼きのつくり方のイロハを学びます。
ここで言うお好み焼きは、材料を混ぜて焼く関西のお好み焼き、材料を重ねて焼く広島お好み焼き。そして、ホットプレート、お好み焼き店のような大きな鉄板、つまり家庭用・業務用の両タイプの方法で、合計4パターンのお好み焼きを焼きます。
お好み焼館長ならびにお好み焼課の社員が講師を担当します。

焼いて焼いて焼きまくるお好み焼き研修

「ソースの会社なのに?」なぜ、私たちはお好み焼きを焼くことに使命感を持っているのか・・・それは当社の歴史にあります。
お好み焼きとの出合いがきっかけとなり、お好みソースをつくることができたからです。
 
子どもたちのおやつだった一銭洋食に、キャベツやもやしなどを加えたのが広島お好み焼きのルーツと言われています。
戦後の広島の復興に奮闘する人々らのお腹と心を満たす食事のなかに、お好み焼きがありました。一銭洋食と同じようにウスターソースをかけていましたが、鉄板に流れ落ちて焦げ付いてしまうなど、店主らは悩んでいたそうです。
一方、当社も、「これからは洋食の時代がくる」と知人からのアドバイスがヒントとなり、戦後からウスターソースをつくり始めました。ところが、すでにいくつものソースメーカーがあって、後発の当社の商品はお客様に買っていただくことができず、悩んでいました。そこで、「まずは味を知っていただくことだ」と考え、直接、飲食店や屋台を訪ねるようになります。
 
店主らの悩みを知り、「お好み焼きにぴったりのソース、オタフクにつくらせてください」と約束。開発に取り組み始めます。
試作品をお好み焼き店様に持って行き、アドバイスをいただいてはつくり直す、これを何度も繰り返しました。そして、約2年をかけて、「オタフクソースお好み焼用」が誕生します。
お好み焼き店様のご協力なくして誕生しえなかったソースです。
 
最初は広島市内のお好み焼き店様で使っていただき、次第に広島県内へ、そしてご家庭の食卓でも使っていただけるようになり、その後は瀬戸内圏、西日本、東日本へと少しずつ販路を拡げました。
私たちは、いつもお好み焼きといっしょでした。
 
本格的に全国展開を始めたのは1980年代に入ってからです。そのころは、お好み焼きは今よりもご当地メニューのイメージが強く、全国で一般的に食べられているものではありませんでした。オタフクお好みソースも、広島出身者や在住したことのある方が口コミで広めてくださるご当地ソースでした。
そんな状況で、すぐに買っていただけるはずはありません。そこで、相棒、お好み焼きの登場です。
デモンストレーション販売やイベントへの出展など、機会があるごとに社員が広島お好み焼きを焼き、食べていただく。そうすることでお好みソースの味を知っていただく。そんな活動をコツコツと続けました。
 
「コツコツってどのくらい?」の目安として、「『お父さんはお好み焼き屋さんになったの?』と聞かれた」というエピソードがあります。
当社は、そのくらいソースを売るよりもお好み焼の味を知っていただくことに力を入れてきました。
 
海外でも、日本でやってきたように、「まずはお好み焼きの味を食べて知っていただく」ことを続けています。
初めて食べる方は日本以上に多くいらっしゃいますので、分かりやすいように「Japanese pancake」と紹介することもあります。日本食の人気とともに少しずつ知られ始めた「Japanese pancake」は、英国で発刊された英語辞典に、「okonomiyaki」とアルファベットで掲載されるほどになりました。
とても誇らしいです。


研修を経て、経験を積み、「お好み焼士」となっていく

お好みソースをつくる社員、販売する社員、その会社のすべての社員は、お好み焼きを知り、焼けなければ仕事になりません。
「オタフクの社員たる者、お好み焼きを焼けなければならない」のです。
 

其の二
オタフクの社員たる者、お好み焼きの食材「キャベツ」を知らなければならない

「キャベツ農場研修」

「キャベツ」はお好み焼きに欠かせない材料です。キャベツ料理と言えるほど、量を使用します。(当社の推奨レシピでは、関西のお好み焼き・広島お好み焼きともに150gです)
キャベツを蒸すことで出る味が、お好み焼きの味を決めると言っても過言ではありません。もちろんどんなキャベツでもお好み焼きをおいしくするコツはあるのですが、まずはキャベツの特徴を知ることが大切だと考えています。

そして、定植から収穫までを自ら体験することで学びます。どのような畑に、どのような苗を植えるのか。どのように結球するのか。数種類のキャベツを栽培し、品種による違いも知ります。
 
チームに分かれてテーマを設定し、栽培しながら検証もします。そして7月には「収穫祭」を行い、その結果を発表するとともに、収穫したキャベツとお好み焼き研修で培った技術を生かして、農場での指導や管理でお世話になった方々へ広島お好み焼きを振る舞います。
 
また、予期できない天候のなかで栽培することの難しさを知ったり、作業を通じてチームワークを養ったりすることも「キャベツ農場研修」の目的です。

4月に植えた苗は、7月ごろこんなに大きなキャベツに成長します

其の三
オタフクの社員たる者、「ソース」を知らなければならない

「ソース製造実習」

レシピをもとに、野菜や果実をすりおろし、香辛料などを混ぜ合わせて、小さな鍋で煮詰め、ウスターソースと、このウスターソースからお好みソースを手づくりします。
そして、現在はオートメーション化したラインで製造・充填しているソースづくりの、原点を知ります。

「手づくり」することで商品への愛着も増す

当社は卸小売業に始まり、酢の醸造メーカーを経て、ソースづくりにチャレンジしました。
・玉ねぎをすりおろすときには涙が止まらず、にんにくの匂いは体に染み込んだ
・腹巻に現金を入れて、広島から大阪まで夜汽車に乗り、香辛料を買いに行った
・理想的なソースが完成するまでに約1年、お好みソースの完成までにはさらに約2年を要した
など、
社史に綴られた「チャレンジ精神」「ものづくりの難しさ、楽しさ」の一端を、体験を通じて学びます。
 
講師は、開発課の社員2名が担当します。開発課では、お客様からオーダーいただく商品や当社のNB商品など液体調味料の味をつくる際に、レシピを考え、小さな鍋を使用して試作品をつくります。開発課の仕事の一部を体験する機会でもあります。
 
手づくりのソースはもちろん手間はかかりますが、味は格別です。ところが、同じレシピでつくっているにもかかわらず、人によって味が異なります。そして、一定した味で商品をつくることがいかに難しいかを知ります。
 (この研修は8月に実施します)

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なんだか楽しそうに感じますが・・・、真剣に、熱く、ときに厳しい当社の新入社員研修です。
 
「食を通じて、健康と豊かさと和をもたらし、笑顔あふれる社会に寄与する」という企業理念に基づく多様な研修を通じて、社会人として、オタフクの社員として、必要な事項、そして「お多福の心」を学んでいきます。

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