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ドキュメンタリー映画監督 信友直子さん 好奇心のままにチャレンジを

年に4回に発行する季刊誌ほっとおたふく
食についてさまざまなテーマで取り上げ、ご希望の方にお届けしています。

「食×職 プロフェショナルの食卓」では、毎号世界で活躍する女性ゲストをお迎えし、 オタフクソース会長 佐々木 直義がお話を伺っています。
マガジンでは、紙面で掲載しきれなかったお話や対談の様子などを紹介します。
これまで登場いただいた方のこぼれ話はこちら
https://otafukupr.lekumo.biz/dandan/


ゲストは、ドキュメンタリー映画監督の信友直子さん。2018年公開の映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』は認知症の母とその介護をする父の日々を自ら撮影したドキュメンタリー作品で、全国で20万人を動員する大ヒット作です。映画がきっかけとなり、今は全国での講演活動に精力的に取り組んでいる信友さんの、食にまつわる思いや家族との思い出を聞きました。
 
Profile
広島県呉市生まれ。1986年から映像制作に携わり、数多くのドキュメンタリー番組を手掛ける。2009年、セルフドキュメント『おっぱいと東京タワー〜私の乳がん日記』がニューヨークフェスティバル銀賞、ギャラクシー賞奨励賞を受賞。2018年、初の劇場映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』が公開され、続編の『ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえり お母さん~』も2022年に全国でロングラン公開。

 ●色紙について
これまで100本以上のドキュメンタリー番組を制作し、海外での撮影も数多く経験した信友さんのモットーは、撮影した場所の“その土地ならではの食べ物を楽しむ” こと。「せっかくその土地でしか食べられないものに出合ったのに、食べずに終わってしまうのはもったいないですよね。これからも、何でも食べてみようという気持ちは持ち続けたいです」と信友さん。既成概念にとらわれず、好奇心のままにチャレンジするという点は、食べることに限らず、ドキュメンタリーを制作する際も変わらぬ姿勢であることが分かります。

信友家の食卓での思い出
釣り上手のお父さま、料理上手のお母さまの元で育った信友さん。「日曜日になると父が船で沖合から釣ったタイ、ハゲ、ハゼを持ち帰り、母がそれを全部さばいて、刺身、塩焼き、唐揚げなどにして食べさせてくれました。今考えるととても贅沢ですが、毎日のように魚を食べていたので、週の半ばになると飽きてしまい、カレーが食べたいと母に言っていました」。なんとも贅沢な話ですが、瀬戸内の新鮮な魚が信友家の食卓を彩ってきたことが伝わってきます。

マイ・お好み焼店
信友さんが生まれ育った広島県呉市中心部には、かつてワンブロックに一軒は小さなお好み焼店があり、「マイ・お好み焼店」をみんな持っていたと言います。信友家のごひいきは、信友さんの小学校の同級生のお母さんが営むお店。
「学校が午前中で終わる土曜日に、母と一緒に食べに行っていました。母がおばさんとPTAの話でワイワイ盛り上がり、私は同級生と遊びながら、お好み焼とおでん食べていたのを思い出します」。当時のお好み焼店では、夏はかき氷、冬はおでんを売っていたそう。小学生の信友さんにとって、土曜日の楽しみだったそうです。

●健啖家、104歳のお父さま
104歳のお父さまはファミリーレストランのハンバーグが大好物。「父はハンバーグにライスも付けてぺろりと平らげます。母の生前は、結婚記念日などに夫婦で食べに行っていたようです。ビーフシチューのようなこってりとしたメニューも好きですね」と信友さん。そんな健啖家のお父さまですが、信友さんは大学進学で上京して以降、長く離れて暮らしてきた分、今は父と過ごす時間を大切にしたい、とも。講演先でおいしいものを見つけては、ご実家でお父さまと一緒に味わうのが楽しみだそうです。