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料理研究家 ウー・ウェンさん 一番のごちそうは家庭料理

年に4回に発行する季刊誌ほっとおたふく
食についてさまざまなテーマで取り上げ、ご希望の方にお届けしています。
 
「食×職 プロフェショナルの食卓」では、毎号世界で活躍する女性ゲストをお迎えし、 オタフクソース会長 佐々木 直義がお話を伺っています。
マガジンでは、紙面で掲載しきれなかったお話や対談の様子などを紹介します。
これまで登場いただいた方のこぼれ話はこちら
https://otafukupr.lekumo.biz/dandan/


VOL.32
料理研究家 ウー・ウェンさん

ゲストは、中国の家庭料理を中心に料理研究家として活躍し、ロングセラーの著書も多数あるウー・ウェンさん。日中の架け橋になりたいと語るウーさんのお考えの中から、それぞれの食文化を紹介する際の工夫や、料理に欠かせない食器についてなど、お話しくださいました。
Profile
北京生まれ。1990年に来日。母親から受け継いだ小麦粉料理が評判となり、料理研究家の道へ。1997年、東京でクッキングサロンを開設。中国に伝わる家庭の味、シンプルで体にやさしい家庭料理を、日本の素材で作れるように工夫を凝らして紹介している。著書多数。雑誌、新聞、テレビなど幅広く活躍中。

色紙について

ウーさんが記した言葉「おいしい料理でお幸せに!」には、ぜいたくな素材で作った特別な料理もいいけれど、新鮮な素材で丁寧に作ったシンプルな料理を食べる幸せを大切に、というメッセージが込められています。自分が食べたいと思うものを、おいしく食べるためにはまず、健康であることが大前提。中国の「医食同源」の考え方を中国の家庭料理を通じて、日本の気候風土で育まれた食材を使いながら伝えてきたウーさんの食に対する姿勢を表す言葉でもあります。

健康の秘訣

ウーさんのパワーの源は? という質問に「健康。それしかないです」と答えてくださいました。早寝早起きで、5時半に起床、遅くとも22時には就寝されるそう。朝ごはんを食べる7時まで、元気なうちに原稿を書くなど、ひと仕事して9時にはオフィスへ。夕食は17時半から作り始め、18時半には終わらせたいとのこと。「14時、15時ごろまでに仕事を終えるのが理想ですが、とにかく無理せず、自分の体の声を聞きながら過ごしています。疲れているときは20時とか21時に寝ることも。疲れをとるには寝て体を休めるのが一番です。若いうちは回復が早く無理をしがちですが、年齢を重ねてくるとその反動が出るので、若い時から気をつけることも大切です」。長年、体調の変化に気を配られてきたことが伝わってきます。

料理を引き立てる食器

「食器は人にとっての洋服やおうちと一緒。季節や料理の色合い、その料理を作ったときの気持ちや込めた思いを、どの器に盛り付けるとピッタリくるかな、と考えながら、感覚でその時々の食器を選びます」と語られるウーさんのクッキングサロンの棚には、色んな食器がズラリ。中国の実家から持ってきたという古い食器や好きな作家の食器、日本の食器もたくさんあり、料理に合わせてミックスして使っているそう。「でも、食器を大事にする前に、食器に盛り付ける料理を大事にしなくてはね」との言葉からは、日々の食事を大切にされているウーさんのこだわりを感じました。

家庭料理こそが一番のごちそう

中国のお友達に日本料理を振る舞うときは「みそ汁と手巻寿司がわが家の定番」なのだそうです。特別なことはせず、日本でごく普通に食べている家庭料理を振る舞う方が喜ばれるとのこと。「私は中国の友達にみそ汁を振る舞うときは、あえて具材は入れません。おみその香りそのものを味わってほしいからです。中国にもみそはあるけれど、同じみそなのに中国と日本では、こんなにも違うと知ることが大事だと思っています」。日中双方の味を知ること、現地で食べる体験をすることで、互いの国への理解がより深まり、食べ物の味も一層おいしく感じられると話されるウーさん。クッキングサロンでも普段の生活でも、両国の理解に努め、文化を広められている一貫した姿勢が伺えます。


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